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There's a way-out.

昨日、出口くんの涙にもらい泣きした口です。

彼は投了を告げる前から長嘆息を吐いて悔しがっていました。
感想戦の前に大盤解説会場に集まったファンたちに挨拶をさせられたのです。
そして感極まって泣き出した。
醜い泣き方では決してなかった。
美しい涙だった。

タイトル初挑戦で着物を作ってくれた父と師匠のまごころ、
会場にいる愛妻のまごころ、
第4局以降の対局会場予定地の関係者の期待ー
それらに応えられなかったという不甲斐ない気持ちに圧倒されての
本意ではない涙だったのです
(断言します)。

最強・絶対王者の藤井叡王を、1局のこととは云え追い詰めた。
追い詰めたのに、角を打つべきところで銀を打ってしまった大悪手で奈落に沈んだ
自分の<今の>至らなさに泣きたくなったことも確かにあったでしょうが、
何より上記3つのことこそ彼を泣かせた最大原因だったと思います。

私は清々しく戦い切った者の涙を美しいと思うだけです。
「男なら泣くな」、「プロなら泣くな」とかというコメントを見るたびに、
なんで泣いたらいけない、ふざけるな、と思っていました。
大勢の人が「素直ですばらしい」と称賛していましたが。

出口くんはきっと出直してまた藤井くんに挑戦するはずです。
間違いないと思います。

将棋ファンでよかった、と心から思う昨日でした。


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