SSブログ

1人バンド、当分続ける固い意志

NHKBSの『指揮者のいないオーケストラ 第9に挑む』を見た。

<日本を代表するトップ奏者たちで結成された「トリトン晴れた海のオーケストラ」
通称「晴れオケ」>による指揮者なしでクラシック音楽の頂点的名作を奏でるという
試みで、リハから本番まで3日間のドキュメントだ。

以前書いた<1万時間以上の練習>を積んだ演奏家たちが、
オーケストラとして合議しつつ、Beethovenの思い、意図を探り、
まさに第4楽章の最後まで呼吸を合わせ切る様に(とは云え切れ切れでしか聞けなかった
けれど)随喜の、歓喜の涙が出まくってどうにもならなくなった。

人類の宝、奇跡の作品を、virtuosoたちが指揮者の解釈や指示に頼らず、
自ら、一人ひとりの人生経験を重ねて想いを述べ合い、調和していくのだ。
もちろん互いへの技術面での信頼は元々担保されている。
皆が普段所属する各オーケストラのコンマスや首席演奏者ばかりなのだ。

その前にショパン・コンクールの反田さんや小林さんの<たった一人の努力>ぶりを
同じBSで見たばかりだったから、殊更にオーケストラの集団的努力、その成果に
感動することとなった。

音楽に本当に全てを懸けている人々、懸けられる人々は清々しい。

私は<1人バンド>でやっていくしかない現状を嘆かず、
せめて<1万時間以上練習をしてきたシンガー>として、
死ぬまでできる限りのことをしていこうと再び志すことができた。

感謝。


nice!(0)  コメント(0)