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朝散歩しつつ三島

授業の準備終了。
英作文の添削、復習テストの作成で4時間はかかります。
時給にはまったく合わぬ労働量ですが、まあ、いいでしょう。

早朝散歩を再開しました。
オリオン座とシリウスが西にかなり傾いている時刻に出発です。
多摩川べりと違って、住宅地ばかり通ることになり、夜空や明け方の空をそう楽しめず、
いきおいラジオを漫然たる徒歩にならぬよう恃みにします。

「ラジオ」と書きましたが、リアルタイムではなくNHKの「聞き逃し」。
「声でつづる昭和人物史」や「文化講演会」を頻繁に聴きます。
前者は全5回という破格の扱いで三島由紀夫を深彫りしていました。

「君らが天皇とさえ言ってくれれば諸君らと共闘する」

三島さんは確か東大全学連との対話でそう言ったのです。
その録音は流れませんでした。
天皇=日本の古代からの歴史と伝統を重んじてくれれば、左翼運動とも共闘すると。
三島さんが打倒したかったのはなによりも日本を侵食する西欧文化なのです。
それに染まった政治家たち、西欧化こそが正義だとする体制を打倒することについては
共に手を携えられるということだったのです。
学生たちは笑っていました。

徴兵されず、同輩たちに戦争で死なれた男として三島さんは戦後を生きました。
「夭折の美」と言い、死に場所を、死ぬ大義ときっかけを、探し求めて。

その辺りはすでに知っていたことでした。

ラジオでは川端康成との微妙な関係についてかなり迫っていました。
この辺りをもっと知り、想像したくなりました。

私なんぞは幼少から、三島さんが唾棄したい西欧文化の、さらに浮薄な大衆音楽に
浸ってしまった人間です。それでも、「日本という国は何か」、
「日本人とは何か」ということについての思索は負けずに続けていきたいと
思うのでした。




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