SSブログ

Why the hell are we doing what we're doing?

https://www.youtube.com/watch?v=bRUXez7YoIo

この映画を子どもの頃に見ていたら、戦争ごっこなんてやれただろうか。

次兄がガキ大将で、近隣の子たちと私は彼の統率下『コンバット』ごっこに興じた。
私は「ケーリ上等兵」が好きで、次兄がなにしろ「サンダース軍曹」なのであるから
(次兄は、多くの少年らがそうであったようにHanley少尉より好きだった)、
部下の中では切れ者で、フランス語もできるケーリ上等兵が憧れだった。

戦闘シーンはあるにはあったけれど、血が飛ぶとか、体が吹き飛ぶとかという
リアルな描写は一切なく、ドイツ兵俳優たちは「Amerikana!」と叫んでは、
サンダース率いる小隊に撃たれた真似をし、ただ倒れるのだった。

ヒトラーが悪辣な人間であることはチビでも知っており、
それに従ったドイツ兵たちはやられて当然だと思っていた。
だからドイツ兵たちがやられれば胸がすく思いだった。

しかしそれでも、小学生なりに私は思っていたー

「アメリカ対ドイツのドラマだからいいけれど、これが太平洋戦線が舞台で、
アメリカ対日本だったらきっと見られないな」

「ドイツじゃこのドラマは放送されてないだろうな」

と。

ちなみにWikiドイツ語版にこのドラマについての記事はない。
たとえこのドラマが戦争の愚かさを訴え、またドイツ軍将兵(SSやゲシュタポなどは
ほとんど出てこなかった記憶がある)もアメリカ軍将兵と何も変わらぬ人間として
描くものであっても、やはり同胞がバタバタと斃れていくドラマなど見たくはないはずだ。

そんなことを思いつつも、銃器への興味は募って、
サンダースが使うトミーガンやカービー二等兵が使うBAR、
ドイツ軍将校が持つワルサーやルガーの拳銃は憧れの的だった。
(最終的にはワルサーPPが一番好きになった。)
また、同じサブマシンガンであるトミーガン(M1928A1)とドイツ軍のMP40
(「シュマイザー」と呼んでいたが、誤りだそうだ)のそれぞれの機能美にも憧れ、
1丁持つならどっちだろうと思案したりしたものだ。
また、日本軍の「南部式」の拳銃も好きであった。


戦争ごっこ、兵隊ごっこに興じながら、同じ連合国軍に敗れたドイツ軍と日本軍、
ドイツと日本という国は、どこが違ってどこが同じなのかも考え始め、
父に訊いたりもした。父は終戦時21歳、川崎の高射砲部隊にいたのだった。

父は旧制若松商業の生徒だった頃からすでに反戦思想を持っていた。
だから戦後はすぐに民主主義万歳を唱えて青年団活動のリーダーになった。
枢軸国同士の日独はむろんやられてしまって当然だったが、
同輩たちが夥しく死んでいったことには胸が張り裂けそうな想いを抱えていた。

上の映画の、バタバタと倒れていく日本軍兵士を父が見ていたなら、
きっと一度も家族の前で泣く姿を見せたことがなかった父も泣いただろう。

「なんでこんなことをしなければいけないんだ!」と思いながら、
殺し、殺される戦争ー


中国は、台湾が独立にこれ以上向かうなら戦争を辞さないそうだ。





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