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英語・共通テストは失敗する

Mooさんのブログに、氏と、勉強や読書の邪魔をする愛猫ハルちゃんの写真があり、
夏目漱石を彷彿とさせるものがあって味わい深い。
しかも、ハルちゃんは鼻の部分に腫瘍ができてしまい、すでに獣医に匙を投げられている
という事実を噛みしめてみると、さらに「もののあはれ」を感じる。

https://blog.goo.ne.jp/azumino_moo

氏のお孫さん(二十歳となられた)は現在東大の1年生だが、駒場に通うことなく
ずっとオンライン授業のままになっているという。なんということだろう。

共通テストなるものがあさって初めて行われるが、英語に関して言えば、
writingとspeakingを結局欠いたかたちで、listeningを以前の4倍(reading比)
重視し、readingと同等に評価するということだけの「変革」の下、
いったいどんなに歪なテストになってしまうものかと懼れる。

「読む・聴く」が1:1であることに文句はないのだ。
問題は、一般的にそんなふうに高校で英語の授業が展開されてはいない、
ということなのだ。
英語指導に熱心な一部私立高校などは十分対応できるのだろうが、
公立高校などでは、まず疑いなく、Communicationというクラスがreader
中心授業で、生徒に訳させ、教師が評価しつつ、文法や構文、語法のポイントを
解説するという従来型を踏襲しているはずだ。
Expressionという表現型のクラスもあるにはあるが、実態は文法授業だ。
始末が悪いことに、共通テストのreadingは速読をのみ重視しているのだ。
センターテストのように、従来型授業での知識も拾ってやるスタイルではない。

この、現場の実情を知らぬまま、あるいは知っていても無視しつつ、
速読と聴き取りだけのテストを強行する姿勢は、他の政策実行でも容易に見られる
<見切り発車>と共通のことだ。

今年の高3は、3年次実施なら修学旅行に行けず、他の行事や授業展開も混乱を極めた中、
仕上げのように現場実態にそぐわぬテストで運命を決められてしまう。
気の毒の一言だ。



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