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昇天メンバー

夜桜を観に、午前0時過ぎ独り砧公園へ出かけた。
雨も降りそうな夜空、約39万平方メートルの広大な園内には案の定誰もいなかった。
最高である。

歩きながらYouTubeで編集した音楽リストの曲を楽しむのだが、
最近入れたZombiesのTime of the Seasonが流れ、胸が熱くなった。
リアルタイムで聴いた頃の思い出が一挙に脳内を埋めるようで、感情が込み上げてきた。
そのとき私は10歳だった。

本当に、あの頃に戻りたいと思った。

*

YouTubeではいろいろな動画を見るけれど、肉親の相次ぐ鬼籍入りの頃、
鬱状態の私を救ってくれたものに、先代三遊亭円楽司会時の「笑点」と柳家喬太郎の
新作落語があった。

そのデータが残っているからだろう、今でも、特に「笑点」の<海賊>ビデオを
どこかの国の怪しげな投稿者が上げているものだからおすすめに載ってくるのだ。

現在の「笑点」は全く見ていないので、ネットニュースの話題で知るだけだけれど、
林家木久扇さんが引退されたそうで、立川流の新人が入るそう。

木久扇さんは実は相当に賢い人で、怜悧とすら言っていい人だろうとずっと思っていた。
与太郎役をやらされて、忠実に馬鹿を演じてきたけれど、本当はそうじゃない。

2000年代に入って、先代円楽、桂歌丸、林家こん平、六代目円楽(初代楽太郎)と次々に
<昇天>メンバーになっていってしまった。この4人がいた時の「笑点」がベストだった。

今残っているそのころのメンバーでは、三遊亭小遊三が一番、次に林家たい平か。
「大月の師匠」の毒気はなくてはならない。

失礼ながらもう一人の方については、論評もしようがないほど私には印象がない。
その人の回答の番になれば、飛ばす。
笑点メンバーとしてもそうだが、何より、なぜ噺家になろうと思ったのかと疑うレベルだ。


話は変わってしまうが、NHKラジオの「昭和人物史」で樹木希林さんが取り上げられた。
「ユーヤさん(内田裕也)」の<扱い>を娘さんがロンドンのタロット占いで尋ねたら、
「お母さん(希林さん)が亡くなる時、一緒にお父さん(ユーヤさん)を連れていく」と
いうようなことを言われたと。

亡くなり方は予言とは違ったが、希林さんが亡くなって程なくユーヤさんも確かに後を
追われたのだった。

六代目円楽さんはずっと歌丸さんの昇天間近をからかっていて、それが売り物だった。
そんな不謹慎な洒落をずっと言っていて、たった4年後14歳も上の歌丸さんに
<連れて行かれた>。

親しい人にあの世へ連れて行かれるというのは、あるなあ、って思う。
だって私の家だって、父、長兄、母と3年経たずのことだった。

Zombiesの歌は、その3人がまだまだ若かった頃の、我が家に流れた歌だ。
そしてそれからわずか1年で、「笑点」の前身「金曜夜席」が始まるのだった。


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