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God force

NY在住のYasuさんが、Lilaceous Rainに寄せてメールをくれた。
というよりは、私のおとといの記事にあったShirley MacLaineの本に彼女も影響を
受けていたそうで、そのことを告げたくなったと。

彼女が高校3年の頃、塾で英語をお教えした私は自分で謂うところの
「Silver Tears期」にあり、なにしろ<大宇宙の原理>を語る男だった。
なぜか対消滅で反粒子と共に虚空に消えるはずの粒子が残り、
それにより物質が構成される宇宙ができたことから、
「宇宙は<積み重なること>を原理として持つのだ」として、
ゆえに<積極>的であることが<正しく>、消極的ないしは否定的なことは原理に
反するのだ、などと宣っていた。

そんな私がOut on a Limbを読むことになったのだから、火に油、だった。

「核力」こそがGod forceだとShirleyは悟ったと前々記事で書いたが、
誤解が生じると嫌なので一応簡単に説明すると、
陽子と中性子を原子核にまとめる強い力のことだ。
この相互作用を媒介するのが中間子で、湯川秀樹博士がその存在を予言し、
のちに実証され、ノーベル物理学賞をとったのだ。

湯川博士は祖父からの影響で漢籍に詳しかったことがよく知られている。
むろん易経にも詳しかったに違いない。
なぜなら博士の量子論の先輩に当たるニールス・ボーアすら(!)易経にハマったのだから。

私は思ったのだ、陰と陽の2元の関係がありつつも、それが渾然融和する様を
描いた太極図(これをボーアは自らのfamily crestにした)からのインスピレーションは
湯川博士にも絶対にあったと。
易経の説く、相対立するものが並立し相互補完する関係ー
これをボーアはラテン語でCONTRARIA SUNT COMPLEMENTA
(対立するもの同士は補完的である)としたー
その並存と補完関係を成り立たせる、まさに中間にあるもの=meson、
あるいはその融合する運動そのもののエネルギーを湯川博士は直観したのだろうと。

そんなことを、私は訊かれれば塾の生徒たちに話したものだ。

Shirleyは核力こそGod forceなのだと宇宙人に告げられるのだ。
「God force」という句に私は痺れた。

にゃあ。
Lilaceous Rainの話がまったく出てこない。



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