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歳を取っても悟りに遠し

誰でも歳をとるのは当たり前ながら、そのことを強く実感する時に私の脳裏に浮かぶ
言葉は「無様だ」に尽きる。
とは云え、その後に落ち込むか、笑えるかの違いはある。

きっと私のように、多くの人は自分の容貌容姿の「中央値」みたいなものを、
普段は意識するともしないとも言えぬ曖昧な感じで、持っているに違いないのだ。
その「中央値」は年々歳々不正確になっているのに、あまり修正する気にならない。
だから、不意を突かれて(例えば己の<最近影>を思わぬ形で見せられて)
大修正の必要これありという事実に直面して狼狽する。

『科捜研の女』が今シリーズ終了を以て<さすがに>本当に大団円を迎えた(はず)。
その理由の筆頭、いやおそらく唯一無二の理由は、沢口靖子さんが「もう年取り過ぎて
あかんわ」と思ったことに相違ない。実生活上も、俳優活動上も、もはや「榊マリコ」を
演じるのは無理だと判断したのだと思うのだ。

それは老化ということだけれども、体力の限界とかではなく、おそらく容色の衰えを
一番に気にしたせいだと私は勝手ながら思っている。

もう少しで57歳になるという彼女ー
おそらく多くのファンなどは奇跡的に若い、美しいと言うのだろうけれど、
老いの自覚はなにしろ本人専一の事柄だ。


「土門刑事」役の内藤剛志さんはもう少しで67歳、「藤倉刑事部長」の金田明夫さんは
67歳、科捜研所長役の斉藤暁さんは68歳、府警本部長役の西田健さんに至っては
なんと77歳、喜寿なのだ。

「マリコ」さんを囲む先輩や上司は既に定年を遥かに超える年齢になっていて、
同僚たちの中宇佐美研究員の風間トオルさんはもうすぐ還暦、
新人を入れてしまえば年齢ギャップは覆いがたいほどになってしまう。
(「若い」同僚の二人は、実年齢30歳と31歳だ。)

この無理を通してこれたのは、偏に、そんなことはどうでもいい、おもしろい番組で
あり続けているのだからどうかこのままと願うファンたちのおかげだ。

私もその一人だ。

その一人として、入れ替わり番組となっている『捜査一課長』シリーズも、
『科捜研』に全く劣らず俳優たちの年齢問題を抱えていることを憂慮する。

内藤さん、金田さん、本田博太郎さんは71歳だ。
私が好きな板木望子(いたき もちこ)警視役の陽月華さんは41歳だ。
ちなみに斉藤由貴さんは55歳だという。


誰もが永遠に続くドラマなどはないと知りながら、それでももっともっとと言うー
私もだ。

アホである。



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