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大・多摩川の大地に暮らして

私は散歩で仙川に沿う道を歩くことも頻繁にある。
私が歩く範囲で言えば、上流方面の限界は祖師谷公園、下流方面だと野川との合流
地点(世田谷区鎌田)ということになる。

昨日NHKBSの「アナザー・ストーリー」で、黒澤明監督と俳優・勝新太郎の
映画『影武者』における対立、結果としての勝の主役降板にまつわる挿話を視聴した。
そのVTRに頻繁に出てくる撮影所風景は、私には大変見慣れたものなのだ。

そこは東宝砧撮影所であって、仙川を挟んで東西に広大な敷地を持つ。
仙川を歩いていれば、黒澤さんと勝さんがやり合ったというスタジオに通じる入口脇を
通ることになる(中も相当奥まで覗ける)。

この撮影所では黒澤作品はもちろん『ゴジラ』など特撮物も作られたし、
子どもの頃から好きだった映画は東宝作品が多かったから、
その撮影所の近隣に住んでいる今、感慨深いものがある。

仙川は野川の支流という扱いらしく、その野川は多摩川の支流である。
仙川と野川の間の台地は、私が住むところの近隣では成城地区となっている。
台地の西の果て、つまり野川へと落ち込むところが「国分寺崖線」であり、
野川から多摩川まで(世田谷区喜多見から狛江市東和泉や駒井辺りまで)はほぼ土地の
高さは同じ、つまりは大昔は多摩川の河原だったということになる。
多摩川からもっと西、つまり神奈川県川崎市に入れば、「多摩川の河原」は多摩丘陵の
麓まで広がっている。小田急線沿線で言えば、川崎市の生田緑地の入口辺りが
大昔の多摩川の南岸ということなる。

會津の片田舎に生まれ、27歳で狛江市に住むようになって以来、
多摩川がつくりだした大地を本拠にして40年近くになってきた。
どういう縁なのだろう。

黒澤さんが、三船敏郎さんが、勝さんが、宮口精二さんが、森繁久弥さんが、
植木等さんが、仲代達矢さんが、加山雄三さんが、田中邦衛さんが、宝田明さんが、
ザ・ピーナッツの姉妹が・・・
スタジオを抜け、仙川のほとり、一息ついたりしていたんだろうなー

そんなことを思いながら歩く。
無名に近いシンガーながら、私も大・多摩川とその大地にインスピレーションを
もらっているひとりであると自負しながら。



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