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最良の寂寥

Maxで200人ほどの方々にここで私が録音したものを聴いていただくという営為ー
どれほどのことがあるのか自分にもさっぱり分からないし、
あまり分かろうとも思っていないのです。

いつかはやれるかもしれないDeafening Daphne(岡野治雄くんとスティックとのtrio)の
ギグにもしかすると来ていただける方が潜在するかもとも思ってはいますが、
このパンデミックによる音楽界の閉塞状況が打開される日はいつ来るのか、
まるっきり分かっていない今です。

ギグがやれたとて、なにかしらの野心を抱いてのことではない。
ずっと一緒にやっている仲間との奏で合いを、まずは自分らが楽しみ、
その生(なま)の楽しみを分かち合ってくださるオーディエンスのみなさまと出会うー
それがもしかすると身の丈に合った今のambitionかもしれません。

「洋楽」の歌うたいとしての、これはまあ、徒然草みたいなものなのです。
このブログタイトルのように、「the 'World'」とはthe world as I see itということで、
他者世界の歌曲を私なりに解釈し、私なりに歌ってみること、
自分の歌を温故知新したり、また新たに生まれ出る思いを歌にしたりということを、
きっとずっとやっていくのです。
「ずっと」と言っても無論いつかは終わりが来ますが。

*

Baby Blueのサビの、全音符Abから全音符Gというbassの2小節ー
数あるこの曲の聴きどころの中でも最高の部分だと私は思っています。
Peteのこころの音であり、それを刻まず弾いたTomの共感!
続いて同じく全音符でC#、Bと下降する2小節も哀愁に満ち溢れている。

この「哀愁」に中3のときの私が捕らえられた。
寂寥に、と言ってもいい。

哀愁や寂寥の音というものは数多くありましょう。
それを聞く人間の心模様もさまざまです。
そしてその無数の音とこころのありようの組み合わせの中、
自分にとって最良のものが見出され(聞き出され)、捕らえられてしまう。

Baby Blueはそんな私にとって最良の寂寥が表現された楽曲なのです。




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