SSブログ

「女流」なんてことばは屈辱だ

TV将棋などで棋譜の読み上げや記録を担当することで勉強&アルバイトをしていて
将棋ファンなら一度は見たことがある小髙奨励会三段が年齢制限に達し、
プロとなれる四段になれぬまま退会となった。

彼には女流棋士の妹がいて、すでに女流初段(女流では2級が正式プロ、1級、
初段と続く。「女流」がつかぬ棋士の世界に準えれば六段に相当するが、
もちろんあくまで準えれば、である)になっており、
その妹さんがTwitterで兄の退会を嘆き、「将棋が本当に強」い兄の悲運に
「泣いている」と書いた。

妹さんは一番理解していたはずだー
女流棋士などという制度は甘すぎる、ということを。
兄に比べてあまりにも歴然とした差があるのに、自分は高校生で「プロ」になれ、
兄は奨励会で並み居るライバルたちと鎬を削って、互いに狭すぎるプロへの門戸に
殺到しようとしているー

女流棋士の制度は、はっきり言う、逆差別だ。


女流棋士の中のトップ、すなわち女流タイトル保持者は今4人で、
全員が奨励会経験者であり、里見さん(四冠)と西山さん(二冠)は三段まで行き、
加藤・清麗は初段まで、伊藤・女流名人は1級まで到達した。

そのトップ4人こそ、「逆差別」を最も深刻に感じているはずだと私は確信する。

この4人の中、別格と言っていいかもしれないのは西山朋佳二冠だ。
彼女は3段リーグで14勝4敗という、四段昇段(=棋士としてプロ・デビュー)しても
全くおかしくない成績をとったことがあるからだ。

彼女は今、里見さんら3人が<少しはホネがあるから>タイトルを争ってもそう
退屈はしていないかもしれないが、きっといつかはどうしても「女流」がつかない
棋士たちと競い合って、できればタイトル戦に出たいと思っているはずだ。

自分たちが突破できなかった奨励会三段リーグを、同じように去って行かねば
ならなかった多くの「男性」会員たちは、自分たちのように恵まれた環境で
将棋によって生計を立てることができず、遅まきながら実社会で将棋以外の仕事を
せねばならなくなっているのだ。申し訳ないという想いがあるに違いない。
だからこそ、自分が14勝して普通ならリーグを突破できていたことを多くの棋士が
認める中で、女流も出場できる棋戦で安定して勝ち上がっていく力を自分こそ
つけなければならないと感じているはずだと思いたい。


頭脳ゲーム(頭脳スポーツ)に本来女性ハンディキャップなどあってはならない。

そのことを一番理解している、そしてその逆差別解消に努力する4人であってほしい。



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。