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東京の、豊穣なるMuseの里で

しつこいけれど、私の大晦日は冬至の日であるから、
今日は私以外のほとんど人たちが1年が終わる特別の日とされているということ
以上でも以下でもないが、むろん臍曲がりを無闇に発揮せず、
その大方の認識にも従うものだ。
こんなことを書いている時点でもう十分臍曲がりだが、闇雲ではないでしょ?

私にとって<この>大晦日は、ETVでの「第9」演奏会(録画)放送の日。
もうこの恒例・吉例が続いてどのくらいになるだろう。
以前は第4楽章こそを早く聴きたくてしかたがなかったが、
2018年、マレク・ヤノフスキ指揮によるN響演奏のこのBeethoven最後の
シンフォニーをNHKホールで生で聴いて以来、
彼が「19世紀で最も重要な音楽のひとつ」とする第3楽章(緩徐楽章)を、
我が聴覚を最も研ぎ澄まして、感受するようになっている。
このコンサートに誘ってくださった義父への感謝はとてつもなく深い。

2018年大晦日は、だから、<その>第9をETVでも再び聴くことになった。
明けて2019年の正月のある暖かい日に多摩川で、
ナチス統治下のフルトヴェングラー指揮による緩徐楽章をYouTubeで何度も
聴いた時の至福感は忘れることができない。

今年のN響「第9」は下野竜也さんが指揮するという。
先日聴いた「指揮者のいない第9」でかなり私のこころの「感動袋」はいっぱいに
なっているから、下野さん、大変ですよ。ふふ。


元旦、私が必ず聴くclassicsには芥川也寸志作曲の『交響3章』があって、
第3楽章Allegro vivaceだけを何度もリピートして聴く。
これほど日本の元旦にふさわしいclassicsはないと勝手に思っている。

因みに也寸志さんは母上(すなわち芥川龍之介の妻・文)と調布市入間町に暮らして
おられた。入間町は世田谷区成城9丁目の隣。

そのお父上の龍之介さんの『羅生門』と『藪の中』が、狛江・成城の住人黒澤明さんに
より京都の大映(成城・砧の東宝は争議で映画が作れなかった)ながら『羅生門』と
して映画化され、ベネチア映画祭で金獅子賞を獲得、彼は「世界のKurosawa」となり、
日本映画の世界的評価が一気に高まったのだ。

昨日は小津安二郎監督の『東京物語』がNHKBSで放送されていた。
監督のすばらしさ、笠智衆さんの味もいいが、誰より原節子さんの存在感、
名演こそ手柄だ。その原さんも長く狛江は野川の近くに暮らしておられたことは
過日書いた。

この豊穣なMuseの里で暮らす私ー
今年もあとわずかとなり、まもなく新年がやって来る!



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