SSブログ

Lookismと実力だけの世界

某「物書き」さんのジャーナリスティックなYouTubeチャンネルは、
自民党総裁候補で、さらに最有力と言われている小泉進次郎さんのことを語った。
「ブサメン」を何度も自称する物書き氏は、「イケメン」にまずは太刀打ちできない
lookism的事実を認め、だから自分のような「気持ち悪い」顔をした者がそういう
容姿に恵まれた者とそれでも対抗するなら他のところを磨くしかない、と。
そんなことをライブで延々と何十分も話していて、さすがに食傷した。

まずねー

「イケメン」という「日本語」が私は嫌いだ。
この軽薄な言葉で美男子を形容すること自体が疎ましいし、
その言葉を使用する人本人とも関わりたくない(キッパリ)。
「いい男」、「美男子」で一体何が足らないのだ。

どんな言葉が流行ろうが、人口に膾炙しようが、私の日本語についての美意識に
適わぬ場合はそれを口にするのはおろか、耳にするのも忌避したい。

そしてー

容姿端麗に生まれ、またそれをずっと維持する努力をしている美男子、美人は、
確かにそのことで<初っ端から>好印象を与える特権的優位性を持つのは至極当然で、
そんなことを長々喋ったところでなんらの話題発展性もない。
オオムラサキと単色の蛾がある枝に並んでとまっているのを目にして、
「私は蛾の美しさの方に惹かれモス」などという御仁がいたら、変わり者でしかない。
そういう人がいてもなんら問題ないが、大方の同意・支持を得られるわけもない。

残酷な話だが、立憲民主党の新代表が「泥鰌(ドジョウ)」を自称する顔面広大な
老境に入ったあの方になったとして、一方小泉進次郎氏が自民党新総裁に選ばれ、
与党代表と野党第一党代表としてエール交換、2 shot写真におさまるとするー

単に容姿の美醜でどちらに軍配を上げますか、と訊くのは愚かだ。
第一印象で好ましいのはどちらですか、と。

もちろん、「物書き氏」はそんなことは百も承知二百も合点である。
ルッキズムに悩んできたであろう己の50年からの心情の吐露もそれはいい。
そしてまた、進次郎さんのお父様が首相の時に起こったおばさまたちの熱狂が、
息子にも、さらに輪をかけて起こるかもしれないことを侮ってはいけないと訴える
のも結構である。日本のみならず、どこの人間社会でもリーダーが美しければ
なお良しとするのは当たり前のことだ。

大谷翔平さんも、あの容姿だからアメリカ人野球ファンに受け入れられている面が
あるのは誰も否定できない。並のアメリカ人男性より背が高く、脚が長く、
鍛えられた肉体は引き締まっていて、東洋人男性の特徴と多くのアメリカ人や
欧州人などが思っている吊り目、一重瞼ではなく、幼さを残すcuteな顔つきー

彼がもしー
直接名を挙げるのは憚られるのでこう記そうー
アメリカ人が憎んでやまなかったA級戦犯筆頭のあの方のような容姿だったら、
と思うと私は頭を抱えてしまう。

ルッキズムは基本的に愚かなことだけれど、抜きがたい、humanなことだ。
容姿に恵まれた者は、短期的には、さまざまその他の欠点があれば(あるに違いないが)
隠すことができる。

そう言って後はゴチャゴチャ言わないでいいではないか。

*

昨夜のNHKスペシャルに痺れた。
AI時代の将棋における藤井聡太七冠と伊藤匠叡王の龍虎の戦いに焦点を当てたものだ。
「たっくん」は同い年の超天才を「教祖的な存在」だと言った。
その教祖とも比定される棋士からタイトルをひとつ奪った彼が、
藤井聡太教ないしは藤井聡太宗の信者のような者であると自ら認めたのだ。
すごい発言で、私は頭がクラクラしそうになった。

それだけの人なのだ、藤井聡太という人は。

実力だけがすべての世界に、あらためてまた強い憧憬を覚えた。

*

囲碁世界戦で一力遼さん(国内三冠)が優勝。
世界戦で日本の囲碁棋士が優勝するのは19年ぶり。
すばらしい!!
少しでも囲碁界不遇の時代を乗り越える一力、いや一里塚になりますように!


nice!(1)  コメント(0)