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Club over National

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TVは連日の五輪報道(義父の娘が朝ニュースなどを見るのでちょっと
見聞きしてしまう)、「Nipponすごいぞ、Nipponがんばれ!」で騒がしい。

何も冷笑してその画面を見ているわけではない。
私だって1964年の東京五輪をTVで幼くして見て、次のメキシコ大会ではサッカーで
日本が驚異の銅メダル獲得、小学生として狂喜乱舞した。
スポーツを通じての<戦い>は概ね清々しく、世界各国は戦争の代わりにこれで
紛争解決したらどうなんだなどとも初々しい感想を持ったものだ。

しかし、どの国も国威発揚第一のような印象を強くしていくと、冷め始めた。
ヒトラーがベルリン五輪でアーリア民族の優秀性を世界に見せしめようとしたのは
よく知られた事実だ。
今、各国の五輪への態度は明確に違うのだろうか?

国だ、民族だー それに属する誇りでアスリートたちは動くところもあるだろうし、
それに対し一概に鼻白むことだとは言わないけれど、
スポーツってそんなもんじゃないだろうという想いは強い。

メダルを獲得した日本のアスリートの中、他にも立派な方がおられるだろうが、
私が後々まで心から尊敬したのはスピードスケートの小平奈緒さんだけだ。
ライバルの李相花さんとの友情には心熱くするものがある。
彼女なら参議院議員でも、タレントでもなれて、稼げただろうに、
今は母校信州大学の特任教授になっておられるそうだ。
知性も優れておられるから(スポーツ推薦などない国立の信州大学教育学部に合格するし、
スケート留学先のオランダでオランダ語を2年でマスターしたという)だし、
なによりスポーツの何たるかを体現された人であり、
教育者としても優れておられるに違いない。
(同じスピードスケーターで「二頭流」の裏金議員のHとはえらい違いだ。)

茅野のご出身だそうで、結氷した諏訪湖で遊び、鍛えたか。
冬の晴れた日には、北東に蓼科山、東に八ヶ岳(赤岳)、
場所によっては南西はるかに富士山も全体が見えるはず。
御神渡りで有名なあの湖でスケートで遊びながら、もっと速く滑りたいという一心が、
とうとう平昌五輪で金メダルにつながったー
それだけではないだろうか。

彼女が主に感謝するのは茅野の(=長野県の)自然と支えてくれた土地の人々に
対してであろうし、だから「Nippon, Nippon! やまとなでしこの鑑」などと
祭り上げられても戸惑うばかりではないだろうか。
もちろん、茅野も信州大学がある松本もNipponの一部ではあるけれど。


まあ、国威発揚のためのスポーツは、私は願い下げだ。

浦和REDSの熱狂サポーターである治雄ちゃんが昔、
「おれはナショナル・チーム(サムライ・ブルー)には熱狂しない。
おれはクラブチームが好きなんだ」と言ったことがあるが、その意味がよく分かる。
クラブチームは多国籍だ。
Jリーグのクラブには、ブラジルや、東欧、ドイツ、韓国出身などの選手たちが混じる。
そういう混成チームが、本拠の街の応援に支えられ、それに応えようと必死にプレイする。

確かに、私にはナショナル・チームよりはるかにすてきに見える。



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