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「woke」

パリ五輪の開会式セレモニーで過激な内容のものがあり、
それを批判する英語記事を読んでいて、wokeという言葉に出会った。

wokeはもちろんwakeの過去形である。
その記事でのwokeは形容詞であるが、普通過去形の動詞がそうなることはなく、
なるのは過去分詞だ(例えばtiredやinterestedは過去形ではなく、
元々過去分詞で、形容詞化した)。
これはAfrican-American Vernacular English (AAVE)、
つまりアフリカ系アメリカ人の日常語としての英語で、標準的な英語とすれば、
自動詞ならwoken(目覚めている)や他動詞ならawoken(覚醒された)である。

意味は、大体のところ、あらゆる差別や不公平に対し敏感に反応する意識を常に持って
いる状態にある、ということだ。

「目覚めたままでいる」は「stay awake」と言うのが正しく、普通だ。
このawakeは形容詞である。
これでは眠ってはいないということしか意味しないから、
差別などに無感覚ではないということを意味するよう「stay woke」となったのだろうか。
ただし上記のように、その意味で新しい表現を作るとするなら標準的英語では
「stay awoken」とするのが妥当だろう。

wokeは被差別者だったーであるーAfrican-Americansたちによって造語されたと
言っていいだろう。

しかし繰り返すが、標準英語話者には過去形の正しくない用い方であって、
そのことがやはり彼ら彼女らには違和と独特の響きを感じさせてしまい、
そのこともありながら最終的に、

<2020年までに、いくつかの西側諸国の政治の中道派と右翼の一部は、
「排他的」「大げさ」「パフォーマンス的」「不誠実」と見なされる様々な
進歩的な左派の運動やイデオロギーに対する侮辱として、しばしば皮肉な方法で、
「woke」という用語を使用した。また、一部の評論家は「アイデンティティと人種を
含む政治思想を推進する人々を否定的に描写する不快な用語である」と
考えるようになった。2021年までに、wokeは蔑称としてほぼ独占的に
使用されるようになり、この言葉は軽蔑的な文脈で最も顕著に使用されている。>

とWikiにあるようなことになったようだ。


さて、れいわ新選組から出馬し当選した川口市市議会議員の女性が任期途中で
愛知第15選挙区の立憲民主党候補として名乗りを上げた。
「れいわ」を脱党したのだ、川口市が抱える「一部外国人」の犯罪(行為)の
取り締まり強化を国などに要請する決議案にこの議員は賛成し、
「れいわ」はそれを反党行為と見なしたがゆえのことであった。

「一部外国人」とはクルド人難民や難民認定を待つ人たちのことであるのは明らかで、
その中の一部がよからぬことをしているのは事実であろう(私は直接知らないが)。
しかしそんなことを言ったら、「日本人」だってよからぬことをする者がいるのは
当たり前で、ただ「犯罪取締りの強化」とすればいいものを、
「一部外国人による」を修飾句をつけてしまったことで、これは差別であるとした
愛知県の立憲地方議員が党本部からの指示でX投稿を削除させられたというのだ。

この議員は、また「れいわ」は、wokeなのだろうか。


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